最初の超音波写真を見たころから、お腹が大きくなるころまでのどこかで、頭の中に「やることリスト」が現れて、日に日に長くなっていく。まず伝えたいのは、カタログやガイドに書かれているほど、出産前に片づけなきゃいけないことは実は多くないということ。とはいえ、期限があるものや、予約待ちが長いものはいくつかある。ここでは妊娠週数ごとに整理して、助産師がいなくてもできる手順と、まだ待って大丈夫なことをまとめたよ。
ひと目でわかる
- 母子手帳
- 妊娠判明後
- 育休の相談
- 早めに
- ベビーシート
- 36週ごろまで
- 寝室
- 16–18 °C
いつ、何をする?
全部が同じくらい急ぎというわけじゃない。だから、妊娠週数ごとにチェックリストにしたよ。ここで「ふたり」と書いてあることは、ひとりで迎える場合にも基本は同じ。変わる点は、このあと下の別枠にまとめてある。流れの目安はこんな感じ。
妊娠12週まで:妊娠届を出して母子健康手帳をもらっておこう(産婦人科の証明が必要なことが多い)。子ども・病気の人・動物・化学物質に関わる仕事や、身体的に負担の大きい仕事なら、早めに勤務先へ伝えて。伝えてはじめて、職場環境を調整してもらえる。
妊娠13–20週:出産する施設を見学し、両親学級や産後の回復クラスを予約。家計が厳しいなら、妊婦のための支援給付についてお住まいの市区町村に相談を。未婚なら、認知届の段取りも考えておこう。
妊娠21–28週:かかりつけの小児科を探す。育休や育児休業給付金をどう使うか考える。保育園の申し込み時期を自治体に確認。ベビーカーとベッドを注文。妊娠後期のはじめには、対象ならRSVワクチンなどの接種も検討。
妊娠29–34週:講座に参加。パートナーの産後パパ育休を、早めに勤務先へ相談。書類ファイルをまとめる。赤ちゃんの応急手当講習も。
妊娠35週から:チャイルドシートを取り付ける。入院バッグを準備。陣痛や破水が始まったときの段取りを決める。産後休業のあとに続ける自分の育休も、勤務先へ早めに伝えておこう。
逆に、まだ待てるものも多い。子ども部屋は、赤ちゃんが最初の1年はふたりの寝室で眠るから急がなくていい。ハイチェア、おもちゃ、服をぎっしりそろえることも後回しで大丈夫。呼吸センサーマットやスマートソックスは不要。乳幼児突然死症候群の予防になるという根拠はない。中古で買えるものも多いけれど、マットレスとベビーシートだけは特にしっかり確認して。
生まれたその日から必要なもの。できれば妊娠36週ごろまでにそろえておこう。
新しくて硬めのマットレスが入った安全な寝床と、スリーパー 2 枚
ベビーシート。自家用車がなくても、タクシー用に必要
ベビーカー、または抱っこひも
新生児サイズのおむつ、おむつ替えマット、ガーゼや吐き戻し用クロス
サイズ 50/56 のボディスーツとカバーオールを 5〜7 枚、外出用の帽子 1 枚
デジタル体温計
あなた用:産褥パッド、メッシュショーツ、授乳ブラ、母乳パッド
ミルク育児なら:哺乳びん数本、ボトルブラシ、0 か月用ミルク
産後の相談先を知っておく
退院後は、お住まいの市区町村の保健師や助産師が新生児訪問で家庭に来てくれる。妊娠中に一度、地域の保健センターに相談・登録しておくと安心。
新生児訪問は生後の早い時期に1回が基本で、加えて、こんにちは赤ちゃん事業として生後4か月までにすべての家庭が訪問を受けられる。産後ケア事業を使えば、宿泊・通所・訪問の形で出産後1年間サポートを受けられることも(自己負担があることが多い)。お母さん自身は、産後2週間健診と1か月健診で出産したクリニックに診てもらえる。探し方はこう。
お住まいの市区町村(保健センター・こども家庭センター)に、新生児訪問や産後ケア事業について問い合わせてみて。
産後ケア事業を使いたいなら、早めに市区町村へ申し込んでおこう。人気の宿泊型は埋まりやすい。
空きがなければ、通所型やアウトリーチ型(訪問)も聞いてみて。
もっと頼りたいときは、こう補おう。 新生児訪問のあとも、心配ごとがあれば遠慮なく連絡していい。それまでは:
体重、飲み方、へそ、黄疸:小児科へ。出産したらすぐ電話して、最初の1週間の受診予約をお願いしよう。
あなたの回復 ―縫合部、傷あと、悪露、胸:産婦人科へ。
授乳:産院の母乳外来、授乳グループ、IBCLC の資格を持つ授乳相談員へ。
気分の落ち込み:かかりつけ医や産婦人科、産後うつの親を支える支援団体へ。
暮らしのこと:お住まいの市区町村の産後ケア事業や、こども家庭センター・保健センターに相談を。
産院によっては、相談コーディネーターや産後外来があることも。予約時に聞いてみて。
出産する場所と各種クラス
病院、助産院、自宅出産。いちばん大切なのは、あなたが安心できる場所かどうか。助産院や自宅出産を担当する助産師は枠が少ないから、最初のうちに連絡して、追加費用も確認しておこう。双子、早産のリスク、出産に影響する病気があるなら、早産児にも対応できる周産期センターを産婦人科と一緒に考えて。見学会や説明会では、こんなことを聞いてみよう。
申し込みはいつから必要ですか?
出産後、帝王切開でも赤ちゃんをすぐに私の肌の上で過ごせますか?
24 時間の母子同室、病棟での授乳サポート、家族部屋(多くは自費)はありますか?
その施設は「赤ちゃんにやさしい病院」認定を受けていますか?
数時間で帰宅したい場合、赤ちゃんの診察は誰が担当しますか?
申し込みの面談には、母子健康手帳と健康保険証を持参し、バースプランも相談できる。内容は数行で十分。付き添う人、考えている痛み止め(たとえば硬膜外麻酔)、肌と肌のふれあい、臍帯を切るタイミング、最初の授乳、帝王切開になった場合の希望など。バースプランは「注文票」ではないけれど、予定と違う流れになっても、チームがあなたの大事にしたいことをすぐ把握しやすくなる。
両親学級は妊娠後期に受けるのがちょうどいいけれど、予定日までに必ず終わるよう、予約は早めに。自治体によっては無料や低価格の両親学級・母親学級があるので、まず確認を。産後の回復クラスも一緒に申し込んでおこう。始まるのはたいてい出産6〜8週後。いつまでに修了が必要かも聞いておこう。
分娩室にすぐ連絡
翌朝まで待たず、夜中でも連絡して。こんなときは特に。
破水した、または羊水が出ている
腟から出血がある
胎動がいつもよりはっきり少ない
37 週未満で規則的な陣痛がある
2 分以上続く陣痛、または 10 分間に 6 回以上の陣痛がある
それ以外では、「お産が始まったかも」と思ったら、または規則的な陣痛が約 5 分おき、あるいはそれ以上の頻度になったら電話する、がひとつの目安。申し込み面談のときに、その施設ではどう案内しているか聞いておこう。大量出血、激しい持続痛、けいれん発作、赤ちゃんがすぐ出てきそうなくらい強いいきみがあるときは、すぐに119番(救急車)へ。
始まったときの準備
妊娠36週ごろまでに、移動や連絡の段取りを決めておこう。
上の子や犬は誰がみる? 最初の人が夜中につかまらない、または予定より早く生まれることもあるから、2 人決めておく。
どうやって向かう? 一度は実際に行ってみよう。夜はどこに駐車する? 開いている入口はどこ? 帰宅時にタクシーを使うなら、自分たちのベビーシートが必要。
誰に連絡する? 分娩室、付き添いの人、預け先の連絡先を、スマホと紙の両方に。
入院バッグ は玄関に準備。母子健康手帳、健康保険証、身分証、書類ファイル、楽な服、産褥パッド、軽食、充電ケーブル、赤ちゃんの服。
小児科と緊急時の備え
出生直後の定期健診は生まれてすぐ、生後 3〜10 日の定期健診は多くの場合まだ入院中、生後 4〜5 週の定期健診はクリニックで行われる。妊娠中のうちに近所の小児科へ電話して、こう聞いてみて。
新生児を受け入れていますか? 生まれたらいつ連絡すればいいですか?
生後 4〜5 週の健診はどのくらい早く予約すればいいですか?
新生児の予約枠は、感染症の外来と分かれていますか?
診療時間外の急な症状は、どこに連絡すればいいですか?
どこも断られたら、こども医療電話相談(#8000)・予約窓口に連絡して。公的医療保険の加入者なら、赤ちゃんの定期健診の受診先を案内してもらえることがある。
外来出産、助産院、自宅出産を予定しているなら、誰が何をするかを前もって確認しておこう。生後 3〜10 日の定期健診とビタミン K の投与、生後 36〜72 時間での新生児マススクリーニングの採血、聴覚検査、見逃されやすい心臓の病気を見つけるためのパルスオキシメトリー検査など。親向けの説明資料も今のうちに読んでおけば、時間に追われて決めずにすむ。
いざというときのために、今すぐ数分でできることが 3 つ。
連絡先を保存:小児科、分娩室、助産師(いる場合)、時間外の医療相談窓口、119番(救急車)。
小児救急を受け入れるいちばん近い病院を調べておく。すべての救急外来が乳児を診るわけではない。
デジタル体温計を買って、緊急連絡カードを冷蔵庫に貼る。住所、赤ちゃんの名前と生年月日、重要な連絡先、中毒110番(072-727-2499/029-852-9999)を書く。
乳児の応急手当講習は、親にも祖父母にも役立つ。
要注意サイン
出産前のうちに警戒サインを知っておこう。あとで迷いにくくなる。
すぐに119番(救急車)へ:
呼吸が止まる、皮膚が青っぽい・灰色でまだら、呼吸がとても速く苦しそう
赤ちゃんがぐったりしている、ほとんど起きない、けいれんしている、または発熱とともにグラスで押しても消えない発疹がある
あなたに大量出血、突然の息切れ、胸の痛みがある
すぐに小児科へ。診療時間外なら小児病院へ。翌日まで待たないで:
生後 3 か月までで、肛門で測って 38.0 °C 以上。ほかは元気そうでも受診。
何回もの授乳が続けてほとんど飲めない、飲みながらいつも寝てしまう、生後 5 日以降なのに 24 時間でぬれたおむつが 6 枚未満、または 1 枚が 8 時間以上乾いたまま。
生後 1 日目から皮膚が黄色い、黄疸が 2 週目になってから始まる、または黄色くて飲みが悪い、とても眠そう、呼吸が苦しそう。
白っぽい、粘土色のうんち。母子健康手帳にある便色カードと見比べて。
緑っぽい嘔吐、または毎回の授乳後に勢いよく吐く。飲んだあとに少量を吐き戻すのは普通。
あなたは、その日のうちに産婦人科か助産師へ(いる場合): 発熱、においの強い悪露、胸の赤く熱をもって痛む部分に発熱を伴う、一方のふくらはぎの腫れと痛み、縫合部や傷あとが赤い・じゅくじゅくする。強い頭痛に見えづらさがあるなら、すぐ病院へ。
心のこと: 出産後まもなくの涙もろさ(ベビーブルー)は、ふつう数時間〜数日でおさまる。悲しさが 1〜2 週間以上続く、またはあとから出てくるなら、産後うつは産後 1 年のあいだいつでも始まりうるから、産婦人科やかかりつけ医に相談して。混乱、妄想、ひどい落ち着かなさ、赤ちゃんが寝ているのにほとんど眠れない状態は、産後精神病のことがあり、これは緊急事態。パートナーにそうした様子があれば、赤ちゃんとふたりきりにせず、時間外の医療相談窓口か119番(救急車)へ。自分や子どもを傷つけたい考えがあるときは、すぐ助けを求めて。24 時間対応の地域の相談窓口、精神科救急、または119番(救急車)へ。
肛門での測り方: デジタル体温計の先に少量のワセリンを塗る。赤ちゃんをあお向けにして脚を胸のほうへ曲げ、先端だけを約 1 cm やさしく入れて、音が鳴るまで支える。額用や耳用の体温計は、最初の数か月は不正確すぎる。
産休と育児休業
ひとことで言うと:パートナーの産後パパ育休も、あなた自身の育休も、勤務先には早めに、できれば出産前に相談・申請しておこう。
妊娠を勤務先に伝える時期に決まりはないけれど、伝えておくことで働き方の配慮を受けやすくなる。妊娠・出産を理由にした不利益な扱いは法律で禁止されている。
産前産後休業(産休)は、出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から始まり、出産後8週間は必ず休業する。産後6週間を過ぎれば、本人が希望し医師が認めた業務に限り働ける。赤ちゃんが予定より早く生まれたら、産前に使えなかった日数は産後に加算される。
出産手当金は、会社の健康保険に入っている人が対象(国民健康保険にはない)。産休中、給料の代わりに標準報酬日額のおよそ3分の2が支給される。申請は産休の前後で、勤務先や健康保険組合に確認しよう。自営業などで会社の健康保険に入っていない場合は対象にならない。出産育児一時金(50万円)は別に受け取れる。
育休は、雇用されている親ならふたりとも取得できる(結婚していなくても)。会社への申し出は、開始日が決まったらできるだけ早く、書面やメールで。会社の担当者に必要な手続きを確認しよう。父親には別途、出生後8週間以内に最大4週間取れる「産後パパ育休」もある。出産予定日が3月15日の例だと:
産前休業は、出産予定日の6週間前、つまり1月末ごろから取れる。
パートナーの産後パパ育休(出生日から)は、会社にできるだけ早く伝えておこう。
赤ちゃんが3月15日に生まれたら、産後休業は5月10日ごろに終わる。続けて自分の育休に入りたいなら、その前に会社へ伝えておくのがいちばん簡単。
文面はこれで十分。「子ども(出産予定日3月15日)について、出生日から育休を取得したいです。手続きを教えてください。」 出産前後にパートナーへ有給の特別休暇があるかどうかは、勤務先の就業規則によるので、早めに確認しておこう。
育休の申請は難しく聞こえるけど、勤務先に伝えるだけでいい。
育児給付金と児童手当
ひとことで言うと:児童手当は出生後15日以内に住んでいる市区町村へ申請しよう。育児休業給付金は育休を取得したときに勤務先を通じて申請する。
児童手当は、出生届と同時に、またはできるだけ早く、住んでいる市区町村へ申請しよう。出生日から15日を過ぎると、届出月からの支給になり、さかのぼれない分が出てしまうことがある。準備できることは前もって進めておこう。大事な数字は下の枠にまとめたよ。
育休をどう分けるか計画する。育児休業給付金は、休業開始から180日は賃金のおよそ67%、それ以降は50%が目安。夫婦がそれぞれ14日以上の育休を取ると、最初の28日間はさらに13%上乗せされる出生後休業支援給付金もある(手取りで実質10割相当とされる)。
両親で14日以上ずつ: 夫婦それぞれが14日以上の育休を取ると、出生後休業支援給付金として、最初の28日間に賃金の13%が上乗せされる。
雇用保険に入っているか確認。 育児休業給付金は雇用保険からの給付なので、自営業や雇用保険未加入の場合は対象外。パートナーの働き方も含めて早めに確認しておこう。
必要書類: 賃金台帳や雇用保険の情報を勤務先で確認しておく。申請は勤務先を通じて行うことが多い。
主な条件は、2026年9月時点でこう。育児休業給付金は、休業開始から180日は賃金のおよそ67%、それ以降は50%。夫婦それぞれが14日以上の育休を取ると、最初の28日間はさらに13%上乗せ。自営業者や雇用保険未加入の人は対象外。
児童手当は、3歳未満は月15,000円、3歳から18歳になったあとの最初の3月31日までは月10,000円(第3子以降は30,000円)。所得制限はなく、2か月ごとにまとめて支給される。申請は出生後15日以内に、住んでいる市区町村の窓口で。里帰り出産中でも、住民票のある市区町村に申請しよう。
お金が厳しいときに使える支援。お住まいの市区町村の保健センターやこども家庭センターでは無料で相談できる。妊娠中には「妊婦のための支援給付」(1子あたり10万円)が受けられることもある。出産育児一時金(50万円、直接支払制度で病院へ)も忘れずに確認して。
後回しにされがちだけれど大事なのが、個人賠償責任保険を家族向けプランに切り替えること、主な収入源の人が亡くなった場合の備えを考えること、そして遺言で後見人として希望する人を決めておくこと。
お金の目安(2026年9月)
- 育休給付
- 賃金67%
- 夫婦上乗せ
- +13%
- 対象
- 雇用保険加入
- 児童手当
- 月1.5万円
書類ファイルの中身
ひとことで言うと:出生届は、医師や助産師が書いた出生証明書とあわせて、出生から14日以内に、住んでいる市区町村役場・本籍地・出生地のいずれかへ提出する。
出生証明書: 出産に立ち会った医師または助産師が、出生届と同じ用紙に記入する。
提出: 出生から14日以内に、届出人(父母など)が市区町村役場へ提出する。
出生届を出すと、赤ちゃんの住民登録が行われ、マイナンバーも通知される。ファイルには、身分証明書、母子健康手帳、健康保険証、(未婚なら)認知届の書類を入れておこう。外国籍や海外での婚姻・出生の証明は翻訳が必要なことがあり、時間がかかる場合もある。出産後の手続きは、委任状があれば信頼できる人に頼むこともできる。
名前のこと: 名前には、常用漢字などのなじみのある文字を使う必要がある。結婚している場合、子どもは自動的に夫の戸籍に入る(嫡出推定)。未婚の場合は認知届が必要で、認知届を出すまでは母親の戸籍に入る。
赤ちゃんの健康保険
公的医療保険(健康保険・国民健康保険): 赤ちゃんは生まれてすぐ、どちらかの親の被扶養者として保険に加入できる。届け出は勤務先や自治体の窓口で。
子どもの医療費: 健康保険の自己負担は本来2割だけど、多くの自治体の「こども医療費助成」でほぼ無料か数百円程度になる(対象年齢や内容は自治体による)。
マイナ保険証: 赤ちゃんの保険証も、マイナンバーカードと一体になっていることが増えている。手続きは自治体や保険者に確認を。
出生届は、出生証明書とあわせて、出生から14日以内に自分たちで提出する。
父性認知と親権
ひとことで言うと、未婚の場合:認知届を出そう。出産前でも、母親の同意があれば可能。親権は原則として母親にある。
婚姻していない場合、父親は認知届を出すまで法律上の父親にはならず、親権も母親だけにある。
認知届: 父親が認知を届け出て、母親が同意する。出産前でも役所(市区町村役場)に提出できる。身分証明書と母子健康手帳を持参して。
親権のこと: 認知届を出しても、親権は自動的には共同にならない。未婚のままだと、赤ちゃんの医療行為への同意など、法律上の判断は母親が行うことになる。結婚すれば、届け出により父親も親権者になれる。
パートナーが医療者から説明を受けたり、代わりに判断したりできるようにするには、事前の同意書や委任状を用意しておくと安心。結婚していても、法律上は本人の意思確認が必要な場面があるから。
ふたりの母親の場合、日本の制度では法的な親子関係が自動的には認められないことが多い。地域の専門家や支援団体に早めに相談しておこう。
産後の締め切り
- 出生届
- 14日以内
- 児童手当
- 15日以内
- 自分の育休
- 早めに相談
- 認知届
- 出産前から可
もう生まれた? それとも間に合わない?
もう赤ちゃんが生まれていても、ほとんどはまだ大丈夫。優先順位はこう。
赤ちゃんを健康保険に加入させ、出生届を提出する。
続けて取りたい育休を、勤務先へ早めに伝える。
児童手当を、生後15日以内に忘れずに申請する。
小児科へ電話して相談する。
医学的な意味での早産、たとえば体重が約2,500 g未満の場合は、産休や育休給付の扱いが変わることがある。健康保険や勤務先に確認しておこう。それ以外はあと回しで大丈夫。
準備が整っているというのは、書類ではなく赤ちゃんに向き合えること。
安全な赤ちゃんの寝床
新生児は昼夜を問わず細切れに眠り、1 日の睡眠時間はたいてい 14–18 時間。昼夜のリズムができるのは、ふつう生後 2 か月ごろから。それより最初に大事なのは飲めていること。出生体重に戻るまでは、たいてい 10〜14 日ほどかかるので、約 4 時間以上続けて眠る赤ちゃんは起こして飲ませよう。次のルールは、乳幼児突然死症候群のリスクを確実に下げるとわかっている。最初の 1 年、毎回の睡眠で守って。
いつもあお向け。 昼寝でも同じ。横向きはだめ。そこからうつぶせに転がりやすい。
親の寝室に赤ちゃん専用のベッド: ベビーベッド、添い寝ベッド、または最初はゆりかごを、メーカーの体重上限まで。添い寝ベッドは親のベッドにすき間なく固定し、マットレスの高さをそろえる。
硬くて平らなマットレス を、フレームとのすき間なく。中古ベッドなら、柵の間隔は 4.5–6.5 cm、ぐらつきなし、ネジの欠けなし、塗装のはがれなし、頭や腕がはまりそうな切り欠きなしを確認。マットレスは新品を。
毛布ではなくスリーパー。 大きめを買わず、首回りと腕ぐりは、赤ちゃんが中へずり落ちない程度にぴったり。
ベッドの中にはそれ以外何も入れない: 枕、毛布、ベッドバンパーやベビーネスト、ぬいぐるみ、授乳クッション、おしゃぶりホルダーは置かない。
少し涼しめに: 目安は 16–18 °C。肩甲骨のあいだを触って、あたたかく乾いていればちょうどいい。汗ばんでいたら暑すぎ。手足が少し冷たいのは普通。室内で帽子は不要。湯たんぽもベッドに入れない。
禁煙を徹底。 電子たばこもだめ。
守ってくれる要素: 母乳育児はリスクを下げる。寝つきのおしゃぶりも同様。ただし授乳中なら、軌道に乗ってから。
夜中 3 時にいちばん危ない場面: ソファや肘掛け椅子で赤ちゃんと一緒に寝落ちしないで。そこでの危険はベッドより何倍も高い。授乳やミルク中に眠くて目が閉じそうなら、その前に赤ちゃんをベッドへ戻すか、パートナーを起こして。親のベッドで授乳中に寝てしまうことがありそうなら、先に安全にしておく。枕や掛け布団は赤ちゃんから遠ざけ、壁とのすき間をなくす。アルコール、薬物、眠くなる薬を使ったあと、喫煙者がいるとき、あなたがひどく疲れ切っているときは、絶対に一緒に寝ない。
このルールは、赤ちゃんを預かる人みんなに伝えて。祖父母世代は、横向き寝を習っていることが多い。うつぶせは、起きていて見守れるときだけ、1 日に何度か短時間で。
ベビーシートを買う
チャイルドシートの使用は出生直後から必要。つまり退院時の車でも必要だし、タクシーでも同じ。タクシーに最初からあるのは、もっと大きい子向けの座席だけでよいことが多い。ベビーシートは妊娠36週ごろまでに買って、落ち着いて練習しておこう。
自分たちの車に合う? i-Size モデルは i-Size 席すべてに対応。そうでない場合は適合リストを確認。
必ず後ろ向き。助手席に付けるなら、前面エアバッグはオフにする。
時間に追われないうちに、一度取り付け練習を。腰ベルトは足元側、肩ベルトは頭側に回す。
ハーネスはしっかり締める。厚手の上着やスキーウェアは下に着せない。冬はベルトの上から毛布をかける。
中古は履歴がはっきりしているものだけ。事故を起こした座席は、もう使わない。
選ぶときは、各国の安全基準に沿った比較テストが参考になる。
産後の暮らしを整える
産後の時期は、理想的には 6〜8 週間、回復して赤ちゃんとお互いを知っていくための時間。新生児は 24 時間にたいてい 8〜12 回飲む。だから、前もって整えたことほど、あとで助かる。
食料と場所: 冷凍庫には、片手でも食べやすい小分けごはんを。授乳スペースには水筒と軽食を置き、おむつ替え場所には必要なものを手の届く範囲にまとめる。そうすれば、いつも片手は赤ちゃんに残せる。
手伝いは具体的に: 人に頼めることを書き出しておこう。買い物、洗濯、薬局での受け取り、上の子の送り迎えなど。
来客はコントロール: 来た人は手を洗う。赤ちゃんの顔にキスはしない。贈り物より食べものの差し入れ歓迎。風邪、発熱、口唇ヘルペスがある人はまた今度。
予防接種と予防: 妊娠28〜36週ごろに、RSVワクチンの定期接種が受けられる(対象なら公費でできることが多い)。百日せきについては、自治体や産婦人科に相談してみて。赤ちゃん自身の予防接種は、生後2か月から始まるよ。
あなた自身の受診: 出産後 6〜8 週の産婦人科健診も予定に入れておこう。
産後ケア事業: 出産や体調のために家事や育児がつらいなら、お住まいの市区町村の産後ケア事業(宿泊・通所・訪問型)が使えることがある。進め方はこう。
利用条件や自己負担額を、お住まいの市区町村の窓口(保健センター・こども家庭センター)に確認する。
できれば出産前に、あるいは早めに申し込む。人気の宿泊型は埋まりやすい。
訪問型(アウトリーチ型)なら、家庭に来てもらえることもある。
家族に手伝ってもらう場合の支援制度は、自治体によって異なる。
家族が遠方に住んでいる、またはひとりでいる時間が長いなら、お住まいの市区町村のこども家庭センターや保健センター、産後ケア事業、地域の子育て支援センター、近所の人、宅配サービスが助けになる。パートナーが早く仕事に戻るなら、今のうちに、夜は誰がどこを担当するか、昼間に誰へ連絡できるか決めておこう。
出産前に済ませておいたことは、産後に抱えこまなくていい。
母乳、ミルク、または両方
妊娠中に、赤ちゃんをどう育てたいか決める人は多いし、最終的に両方になる家庭も多い。これはあなたの選択で、誰かに説明する義務はない。ただ、最初の数日は考える余裕がほとんどないから、前もって知っておくとラク。
母乳スタートの 5 ステップ
出産直後から、最初に吸いつくまで邪魔されない肌と肌のふれあいを。帝王切開でも希望を伝えて。赤ちゃんの顔はふさがない。
欲しがるたびに授乳。最初の数日は、ふつう 24 時間で 8〜12 回、夜も含む。頻回授乳が母乳分泌を動かしていく。
早めに気づく。くちゃくちゃする、手を口に持っていく、頭を探すように動かすのは空腹サイン。泣くのは遅いサイン。
うまく吸えている目安は、口が大きく開いている、あごが胸についている、ほおが丸い、ゴクンと飲み込む音がすること。最初の数秒を超えて痛いなら、小指を口角から入れていったん離し、やり直そう。
夕方に長く飲み続けるのは普通で、母乳が足りないサインではない。
足りている目安は、生後 4 日目以降に黄色っぽいうんちが 1 日に何度も出ること、生後 5 日目以降に 24 時間で少なくとも 6 枚の重いぬれたおむつがあること、そして 10〜14 日で出生体重に戻ること。最初の数日の体重減少が約 7 % なのはよくあるけれど、約 10 % からは誰かが確認したほうがいい。これはミルクの赤ちゃんでも同じ。
追加で飲ませる必要があっても、母乳育児が終わるわけじゃない。まず自分の母乳をあげて、胸に吸わせ続けるか、搾乳を続けよう。手で搾るならこう。親指と人さし指を乳首の数 cm 後ろ、乳輪の外側に当て、やさしく押して離すのをリズムよく繰り返し、出たしずくをスプーンで受ける。
乳房の手術歴がある、糖尿病がある、多胎妊娠、前の子で母乳量が少なかったなら、授乳相談は前もって計画しておくと安心。搾乳器は見込みで買わなくていい。必要になれば医師の判断で用意できることもある。助けが得られるのは、産院の母乳外来、助産院、保健センターなど。妊娠中に一度相談しておくと、実際の吸わせ方も見られるよ。
ミルク育児なら、0 か月用ミルクで 1 年目は十分。授乳と同じく、欲しがるたびにあげる。赤ちゃんは半分起こした姿勢で抱き、途中でげっぷ休憩を入れ、飲み切るよう無理強いしない。哺乳びんでも、落ち着いて、肌と視線を合わせれば親密さは育つ。安全な作り方は下の枠で。
誰が何をする?
今、落ち着いて話しておけば、あとでおむつと泣き声のあいだに交渉しなくてすむ。スマホを置いて、1 晩だけでも時間をとろう。
このチェックリストのどれを誰が担当する? あなたが回復するあいだ、買い物や食事づくりは誰が回す?
いつ誰が育児休業を取る? 育児給付金の月はどう分ける?
来客はどのくらいなら心地いい? 多すぎるときに断るのは誰?
2 週間たってもどちらかが毎日泣いている、または眠る時間があっても眠れないとき、誰に連絡する?
夜の分担を決める: それぞれが何時間か続けて眠れるように、夜中の引き継ぎ時間を固定しておこう。後半担当の人は早めに寝て、できれば別室で、前半の音を聞かずに休む。授乳中なら、パートナーは自分の担当時間に、授乳以外のすべてをする。おむつ替え、赤ちゃんを連れてくる、げっぷ、寝かせ直し。夜の授乳を最初からびんに置き換えるのは、母乳分泌を支える面からあまりおすすめしない。ひとりなら、赤ちゃんが寝たら自分も寝て、昼間の助けは 1 時間でも受け取って。
「今すぐ休憩が必要」の合図になるキーワードを決めて、言ったら議論なしで交代すること。そして朝の引き継ぎでは、正直な 2 つの一言を。どれだけ眠れたか、今日いちばん必要なのは何か。父親も産後に気分の落ち込みを経験することがある。
泣き止まないときは
何をしてもだめなことはある。それはあなたのせいじゃない。特に夜、ひとりで起きていることが多いなら、今のうちに手順を決めておこう。
赤ちゃんをベッドにあお向けで寝かせる。そこがいちばん安全。
いったん部屋を出て、ドアを閉める。
深呼吸して、水を 1 杯飲み、数分おきに赤ちゃんの様子を確認する。
誰かに電話する。友人、よりそいホットライン(0120-279-338)など。
そして、はっきり言うね。赤ちゃんを絶対に揺さぶらないで。 ほんの数秒でも、脳に一生残る傷を負わせたり、命を奪ったりすることがある。これは祖父母やベビーシッターにも必ず伝えて。もし起きてしまったら、すぐに最寄りの病院へ。何週間も激しく泣き続けるときは、過度の泣きに対応する専門外来が助けになる。早期家族支援サービスで探せることもある。
最初の日から全部できなくていい。電話したとき、誰かが出てくれればそれで十分。
まず覚えたい 5 つの期限
5つだけ覚えるならこれ。母子健康手帳は妊娠がわかったらすぐもらう。児童手当は出生後15日以内に申請。育休は勤務先に早めに相談。認知届は未婚なら早めに。チャイルドシートは妊娠36週ごろまでに取り付け。それ以外は待って大丈夫。
よくある質問
出産前に何を準備しておけばいい?
期限がある大事なものは、母子健康手帳をもらうこと(できれば妊娠がわかったらすぐ)、出産する施設と講座の予約、かかりつけの小児科探し、パートナーの産後パパ育休を早めに勤務先へ伝えること、児童手当の申請、未婚なら認知届、そして妊娠36週ごろまでにチャイルドシートを取り付けて安全な寝床を整えること。妊娠中しか使えない支援もある。
申請は、出産前と出産後で何が違う?
出産前にするのは、勤務先への育休の届け出、未婚なら認知届、必要に応じて妊娠中のみ申請できる妊婦のための支援給付。出産後は、出生届(14日以内)、赤ちゃんを健康保険に加入させること、そして児童手当(15日以内)の申請。
母親である私は、育休をいつまでに申請する?
法律で決まった一律の期限はないけれど、産後休業のあとに続けて育休に入りたいなら、できるだけ早く、理想は出産前に勤務先へ伝えておこう。書面やメールで伝え、受け取った返信は保管しておくと安心。
産後、頼れる人が近くにいなかったら、どうしたらいい?
新生児訪問のあとも、頼れる先はいろいろある。体重、飲み方、へそ、黄疸は小児科へ。出産したらすぐ電話して、最初の1週間の受診予約をお願いしよう。あなた自身の回復は産婦人科へ。授乳は産院の母乳外来、授乳グループ、授乳相談員が助けになる。お住まいの市区町村のこども家庭センターや保健センターでは、産後ケア事業を案内してもらえるし、産院によっては相談コーディネーターや産後外来もある。
赤ちゃんと同じベッドで寝てもいい?
いちばん安全なのは、最初の 1 年は親の寝室にある赤ちゃん専用ベッドで寝ること。たとえば親のベッドにすき間なく固定した添い寝ベッド。どうしても一緒に寝るなら、硬いマットレス、赤ちゃんの近くに枕や掛け布団を置かない、壁とのすき間をなくす、赤ちゃんはあお向け、が最低条件。アルコール、薬物、眠くなる薬のあと、喫煙者がいるとき、だれかがひどく疲れているときは絶対にだめ。ソファや肘掛け椅子では、危険が何倍にも高くなる。
ベビー用品はいつから買う? 入院バッグはいつまでに?
ベビーカー、ベッド、ベビーシートのような大きいものは、納期がかかることがあるので妊娠中ごろから考え始めるのがおすすめ。妊娠36週ごろまでには全部そろい、ベビーシートが取り付け済みで、入院バッグもできている状態が理想。赤ちゃんは数週間早く生まれることもある。服は最初はたくさんいらない。サイズ 50/56 のボディスーツとカバーオールが 5〜7 枚あれば十分。すぐ大きくなるから。
パートナーは出産のとき休める?
出産前後に有給で何日休めるかは、雇用契約や就業規則によって違うので、早めに確認を。確実に計画できるのは「出生日から」の産後パパ育休で、出生後8週間以内に最大4週間まで取れる。会社にはできるだけ早く、理想は出産前に伝えておこう。
保育園の申し込みはいつする?
保育園の入園時期や申込方法は自治体によって違う。人気の高い地域では、何か月も前から動く必要があるので、妊娠中のうちに自治体へ、いつから申し込みできるか確認して、対象になりそうな園を複数リストアップしておこう。地域型保育も選択肢に入れて。
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